第68话「米蕾丝剧场3」0;生禸1;
《缇蕾娅的烦恼》 · 里奈使徒 · 6584 字
ティムちゃんに邪神炼狱室を案内してもらった。
そこはやはりアレな场所であった。
エリザベスは、そこにいた。よほど地狱を见たのだろう、げっそりと死人のような颜をしていた。
ティレアさんは、この事を知っているのだろうか?
腹芸なんて到底できないティレアさんだ。おそらく知らない。それでいい。言う必要もない。
とにかくティムちゃんのおかげで炼狱室の场所は把握した。
今日のところは……。
チラリと二人を见る。
「ひゃあああ、ち、违うのです。エディムが、无能なエディムのせいなのです!」
「あ、アンタはどこまで――い、いい加减にしろ! し、死ね、オルティッシオ! お、お愿いです。私はどうなっても构いません。どうかどうかこのアホだけは极刑の中の极刑でお愿いします」
叫び声を上げる二人。
うん、今日のところはエディムとオルティッシオさん、この哀れな二人を救出して终わりにしよう。
数日后……。
再び邪神军の地下帝国に向かう。
财务大臣という肩书きは伊达ではない。フリーパスでどの部屋も行き来可能だ。今日は、地下帝国の底の底。エリザベスがいる邪神炼狱室に用がある。
地下帝国の阶段を降りて、独りでそこに向かった。
咎める者はいない。
财务大臣という肩书きは、それだけの権力を有している。
一歩一歩阶段を降りていく。
次第にエリザベスの叫び声が大きくなっていった。
ふぅ~オルティッシオさん、何がしたいのだろう?
オルティッシオさんは、エリザベスの颜面を叩く、叩く、思いっきり叩く。
エリザベスは反省していない。口先だけの言叶である。
「あの、仰る意味が……エリザベス、罪认めてましたよね?」
普通ならここで死んでいる。
そして……。
私に気づいたオルティッシオさんが、振りかぶった拳を止め、向き直る。拳についた血を布で拭き、少し口角を上げて応対してくれた。
あれだけ强気だったエリザベスの面影はない。邪神军の特别なポーションを使っているとはいえ、精神の磨耗までは抑えられないだろうから。
すさまじい回复力だ。オルティッシオさんの拳一発一発が致死量に达しているのに、それを上回るスピードで回复していっている。
「エリザベス、闻きたい事がある」
「その忠诚评価する。よかろう。じゃあ少しばかり休憩してくる。后は頼んだぞ」
「はぁ、はぁ、认める。认めます! さ、さっきから、そう言ってんのにアナタはなんなの――」
「はい、ティレア様に逆らった愚か者に私も罚を与えたいです」
「あ、あなた……ミレス! 生きてましたの!」
「おぉ、人形ではないか!」
「いえ、别に。それよりさっきから何をしているんですか?」
「ぐはっ! げぇえ! ぐがぁあ!」
「见てわからんか。この大罪人が强情なものでな。制裁に热を入れてたところだ」
「もう一度闻くぞ。罪を认めるか?」
「こやつはな、なかなかに罪を认めぬ。自分がどれだけの事をしでかしたのか一向にわかっておらんのだ」
「おっ、人形、贵様もこやつに制裁したいか!」
「どうした、人形?」
邪神ポーションだっけ?
中にはエリザベスと男が一人いた。
あれだけ助けてあげてこの程度って……。
邪神炼狱室に到着、格子窓から中を覗く。
「ほ、本当です。本当ですから。信じてくださいまし」
「そ、そうでした。あのバカ! わ、ワタクシが何を言おうと闻く耳持たない大バカ。ミレス、あなたから言ってください。ワタクシ、あなた达に逆らう気は一切ありません」
オルティッシオさんはニコニコと笑颜で近づいてくる。
「オルティッシオさん、あとは私がやります。どうぞ休憩してください」
本当に救ってほしいのだな。
だが、邪神军の特别なポーションに浸しながら殴っているので、殴ったと同时に伤も回复している。おかげで死なない。
オルティッシオさんが拳を振り上げる。
男の颜をよく知っている。今日の寻问役は、オルティッシオさんのようだ。オルティッシオさんはエリザベスに怒鸣り散らしながら、拳をふるっていた。
「えぇ、なんとかね」
そして、邪神ポーションで回复、回复、超回复していく。
「なるほど。一理ありますね」
あの时は、ティムちゃんが傍にいたから、エリザベスの所在を确认するだけであった。今日は违う。决着をつけてやる。
「はぁ、はぁ、み、认めるって。あ、あなた头がおかしいんじゃないんですの。话が通じな――」
いつまでも敌対されたら、この先やりにくくってしょうがない。私の能力をフルに使って顽张ったよ。
「なんですの? 私は俘虏となった身ですのよ。ただでは动きませぬ。何かしらの见返りはあるんでしょうね」
「交渉はしない。そんな悠长にしている暇はない。时间は、オルティッシオさんが帰ってくるまでだからな」
オルティッシオさんは愤懑やるせない颜をしている。
たとえティムちゃんが侵入を试みようとしても、多少の时间は稼げるだろう。
私はぜぇはぁと呼吸を荒くしているエリザベスに駆け寄る。
オルティッシオさんの物言いは极端ではあるが、言いたいことはわかる。
「だろ」
その成果が出た。他の师団员と同程度には态度を改めてくれたようだ。
ずっとこの缲り返しである。
これずっとループするんじゃないかな。
これで二人きり。
「久しぶりね」
オルティッシオさんが完全に出て行ったのを见守ると、炼狱室のドアの键を闭め、セキュリティ魔法を二重にかけた。
あれでは、肉体的な损伤はほぼゼロだ。痛みだけが永远と続いていくだろう。
「ほ、本当ですの?」
「おのれぇええ! どこまで贵様は强情なのだぁああ!!」
エリザベスが呼吸を荒げて、虚空を见上げている。
「人形、あまり失望させるな。こやつは认めておらん。认めておるのなら、すでに自害しておるわ。己がしでかしたあまりの罪の大きさでな。ティレア様への反逆、これだけの大罪を犯したのだ。本当に认めておるのなら、『どうか死なせて下さい。いや、永远に罚を与えてください』ぐらいは主张するだろうが!」
釈然としないけど、まぁいいや。
……ティムちゃんの折槛から、ずいぶん助けてあげたからね。多少は好感度は上がったみたいだ。今までのように敌忾心をむき出しにして、话すらできないという状态ではない。普通に接してくれるようになった。
「エリザベス、あなたに质问がある。正直に答えれば、私がアンタの恳愿を伝えてやる。私の言叶なら闻く耳もってくれるだろう」
とにかくやるべきことをやらねば。
炼狱室のドアを开け、中に入る。
エリザベスは呜咽交じりに诉える。その颜は憔悴しきっていた。何度も生き地狱を味わっただろうし、逆らっても胜ち目が无い事は、骨身に染みているだろう。
「はぁ、はぁ、はぁ、あ、あぐぁああ!」
「もう一度闻くぞ。罪、认めるか?」
オルティッシオさんが、エリザベスの颜面目挂けて正拳突きを连続で食らわしたのだ。エリザベスの颜面は陥没して原型を留めていない。
「あぁ」
「オルティッシオさん!」
そんなエリザベスの髪をオルティッシオさんが无造作に掴む。そして、エリザベスの颜を覗き込むようにして寻问する。
埒が明かない。思わず声をかけた。
「……」
「贵様ぁああ! 制裁! 制裁! 制裁!」
そう言って、オルティッシオさんは炼狱室を后にする。
「このぉお! まだ认めぬかぁ。贵様が认めるまで殴るのはやめんぞぉおお!」
オルティッシオさんを见る。
「あの拷问を受けてまともに生还するなんて――いえ、ここの异常なほど効果があるポーション、これを使えばなんとかなりますわね」
エリザベスが闷绝した。血反吐を吐いて痉挛している。
「え、え~と强情っていうのは……」
「ぐはっ! げぇえ! ぐがぁあ!」
「……情报だけ吐かせて、そのまましらん颜する気ではありませんよね?」
「私はお前のような耻知らずではない。约束したのなら必ず守る」
「……そうですね。あなたはそういう人でしたね。わかりました。ワタクシに答えられるものならなんでも。だ、だから早くここから出してくれまし!」
エリザベスが身を乗り出して主张する。
「エリザベス、私を监禁してたな」
「え、えっと、それはワタクシの意図とは……」
「言い訳はいい。真実が知りたい。その时、私に何をした?」
私が 高位人间 0; ハイヒューマン 1; になった切っ挂けを知りたい。
私の记忆は、エリザベス邸に侵入してからぷっつりと途切れている。そこで何かあったのは间违いない。
「も、申し訳ございません。もう二度とこのような――」
「反省も釈明もいらないといっただろ。事実を言え」
「そ、それが、あなたへの仕打ちはエビーンズに任せてましたので」
「エビーンズ?」
「わ、我が家のお抱えの拷问官ですわ」
「どんな奴だ。私に何をした?」
「エビーンズは、嗜虐趣味の変态ですわ。それは拷问されたあなたが一番ご存知でしょう」
「……その辺の记忆はあいまいだ」
「そうですか。まぁ、そうでしょうね。あれを记忆に留めておけば正気でいられないでしょう。何せエビーンズはワタクシがほれぼれするほどの腕前ですから」
「……それでどういったことをした? お前は知ってるのだろう?」
「えぇ、もちろん」
「な、何を薮から棒に――」
「エリザベス、私がここにきた目的は二つ。一つは私のこの力について情报を引き出すため。それは空振りだったようね。まぁ、これはいい。重要なのは二つ目、あなたの処分よ」
「ま、待って。ゆ、许して……」
くっ。死人に口无し。
私が振り向くと、エリザベスが隠し持っていたナイフを首筋につきつけてきた。
そう言うや、エリザベスがナイフを私の太ももに突き刺そうとしてくる。
门を开けると、
「钝いですわね。确かにあなたは人质ですので、杀せません。ですが、杀せなくてもこうやって痛めつけることはできるんだよぉおおおお!」
「地狱へのカウントダウン」
「あ、あなた胜手にワタクシを杀してもいいんですの!」
私はエリザベスの枷を外す。
「ふふ、あなた、よく正気でいられましたわね。あぁ、だから记忆を无くしたのですね。手足の欠损は……このポーションの凄まじい効果で治したのでしょう?」
その貌は丑悪で、その性根をそのままはりつけたようだ。
「许さない。この场所、あなたの存在がティレアさんを苦しめることに繋がる。あなたは、この世にいてはいけない」
「くっく、何を余裕ぶってますの! ワタクシ、このポーションのおかげで体力は全快ですのよ。これであなたの颜面をぐじゃぐじゃに切り刻んであげましょうか」
おそらくエリザベスの言う通り、オルティッシオさんが杀したのだろう。あれだけの騒ぎを起こしたのだ。オルティッシオさんならやりかねない。
エリザベスが惊愕する。指二本でナイフが止められたうえ、両手を使って夺い返そうとしてもピクリとも动かないからだ。
エリザベスの膝はがくがくと震えている。
「どこに?」
血の池に针の山、棍棒を持った鬼达が奇声を上げて吠えている。
私はそれを片手で受け止め、手のひらで魔法弾ごと握りつぶす。
「もういい。他に情报は?」
「そうじゃない。あなたが杀した无実な人达に対して、なにか申し开きがないのか闻いている!」
「そんな事ないだろ。话せ」
「そうですわね。それは拷问で何度も死に挂けたワタクシが効果を保证します」
「くっ。あなたは银髪の小娘达に重宝されてますわ。十分に人质の価値があります。あなたを人质にして、逃げて逃げて逃げ抜いてやりますわ!」
「そう、やっぱり反省なんて嘘なのね。まぁ、知ってたけど」
「死にましたわ。死体は见つかりませんでしたが、オルティッシオ达にやられたのでは?」
「终わり?」
「これで全部ですわ」
エリザベスはこれ以上は本当に知らないようだ。それは、こいつの呼吸音、脉拍から虚伪ではないと察せられる。あとは、本人に闻いてみるのが一番か。
「……えぇ、申し訳ないと心より思っております。この后の人生全てを悬けて偿うつもりです」
エリザベスはナイフの柄から手を离すと、狂ったように魔法弾を连続で放つ。
それからエリザベスから拷问内容を闻いたが、これといっためぼしい情报はなかった。反吐が出そうな胸粪悪い话を闻いただけである。
「もう言い訳は十分」
「きゃははは! ばかめ、油断しやがったな!」
「な、舐めるぁああ! 死ね、死ね、死ねぇええ!!」
「ちょっとお待ちになって」
「地狱!? ま、まさか……う、嘘ですわよね?」
私をティムちゃんやオルティッシオさんと同质にみなしているのかもしれない。
「反省しているのかって闻いている!」
「なっ!?」
私は向かってきたナイフを指で止める。
「えぇ、そうですわ。あのバカが拷问の时に置いてったものですの! こういう一瞬のチャンスをものにするため、隠しもってましたの」
「……そう」
「もちろんあなたから被害を受けた遗族全员のもとによ」
「その腐った性根は死んでも治らなそうね」
「ま、待ってくださいまし。こ、これは……」
エリザベスは信じられないといった表情をみせる。その颜には恐怖も映っていた。まぁ、私は邸宅で普通に捕まっていたからね。私が强いとは欠片も思っていなかったのだろう。
「それで、话せることは话しましたわ。あなたはティレア様、ティム様にとても亲しいですわね。どうかワタクシを放免するように口利きなさってくださいまし」
「くっくっ、何を勘违いしてますの。あなたは虎の威を狩るただの狐。そして、今、あなたを守るその虎はいないんですのよ」
「さぁ、行くわよ」
そうだな。これは知ってれば勿怪の幸いという话だ。本题はここから。私が最も悬念していることを终らせる。
……なんてのろい动きなのだろうか。
エリザベスは胜ち夸った颜で叫ぶ。
「……そのナイフ」
「こ、これは……な、なんですの?」
「な、なんて力」
ふぅ~と息を吐き出すエリザベス。よほど手枷がきつかったのだろう。しきりに手首をなでてている。
そこは……。
エリザベスが媚びた声で言う。
「その薄っぺらな言叶をとりあえずは信じてあげる。あなたは一生偿いをしなければならない。遗族にどんな目に遭わせられても、文句は言わせない。大丈夫、ここのポーションならどんな大怪我でも大抵治してくれるから」
「そいつは、どこにいる?」
「地狱よ」
「な、な、何をする気ですの?」
「あなた反省している?」
「なに?」
暗魔法を発动させ、大きな门を召还する。
「……本当に全部です。まぁ、エビーンズの事です。ワタクシの知らない奥の手をいくつか持っててもおかしくはありません」
「な、なんじゃ、そりゃぁあああ!!」
「え、えぇ、もちろんですわ。金轮际、あなた达には逆らいません。忠実なる部下としてお仕えすることを誓いますわ」
「まだ地狱を味わいたいんだ」
「いい。多少叱られるかもしれないけど、それだけよ。あなたがいう通り。私は、あの二人から重宝されているから」
「あなたには地狱すら生ぬるいけどねっ!」
「だから?」
奥の手? それが原因だろうか?
そう言ってポンと肩を押して、エリザベスを扉の向こうへと突き出した。
「ぎゃあああああああ! な、なんですのぉおおおお!! こ、ここはどこですのぉおおおお!!」
エリザベスが绝叫する。
「さようなら。反省したのなら出してあげる。まぁ、无理でしょうけど」
そっと地狱の门を闭じる。
ふぅ~胜手に処分してしまった。
だけど、ティレアさんがここにまかり间违って入室したら、どれだけ心を痛めるか。それだけが気がかりであった。军団员达は、首実検とか言ってティレアさんを招待しそうだったしね。
制裁は 地狱 0; あっち 1; でやってもらえばいい。
* * *
これで4章カミーラ学园编は终了です。次回から新章に移ります。
また、新作を投稿しました。良かったらこちらも読んで顶けたら嬉しいです。杀し屋リーベルと杀人鬼の妹との触れ合いコメディーです。
杀し屋リーベルの哀愁 俺の妹は 杀人鬼 シリアルキラー
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