第67话「米蕾丝剧场2」0;生禸1;
《缇蕾娅的烦恼》 · 里奈使徒 · 9861 字
邪神军の财务大臣に就任し、まずはドリュアスさん率いる参谋チームと打ち合わせをした。当初、ドリュアスさんから嫉妬と杀意がブレンドされた目线を受けた。美形な人が睨むと凄みがあるのよね。
常人なら百回は死んでいる杀気を受けたけど、ティレアさんの勅命、ティレアさんのために行动をしていると示すと、すんなり受け入れてくれた。
ドリュアスさんは、物分かりがよい。私よりも公が大事だとわかっている。私がティレアさんのために行动しているときちんと说明すれば、これほど頼りになる参谋はいない。
私の方针を闻き、都市计画をブラッシュアップしてくれた。一を闻いて十を知る。この 天才 0; ドリュアス 1; 率いるチームに、もはや私の助言など必要ないだろう。あとは定期的に进捗报告を闻くぐらいかな。
问题は……。
チラリと视线を向ける。
くちゃくちゃとガムを咀嚼しながら、両足を机の上に投げ出している青年。
さらに机に頬杖をつきながら、半眼で杀気をドバドバと垂れ流してくる少女。
そう、オルティッシオさんとエディムだ。
态度がすこぶる悪い。
ティレアさんの勅命だから、渋々従ってくれてはいるようだけど……。
二人の心中が透けて见える。不満でいっぱい、嫉妬の炎で焼きつくせそうね。
はぁ~こんな状态の二人と话すのは忧郁だ。だけど、话を进めないと始まらない。意を决して打ち合わせを开始する。
「え~あなた达の企画书を拝见しました。うん、よくできている。できてはいるけど、何个所か订正させてもらうね」
「エディムよ、闻いたか? 新人の大臣様は、我らの企画がクソでミソで気にいらんそうだ。どれだけ増长しているのだ」
「えぇ、えぇ、オルティッシオ様。ミレス大臣様は、昔からそうでした。周囲の意见に耳を倾けず、己の栄达しか考えていません」
こちらの言う事を闻かずに不満たらたらの二人。
ふぅ~またか。
以前の诤いを思い出す。
二人とも优秀なのに、どうしてこんなに子供なのか。本当に头が痛いよ。
めじゃーりーがー?
「やってみろ。人形のくせに生意気にもほどがあるわ」
「あなた达がこれ以上、非协力的ならカミーラ様をお呼びします」
それからオルティッシオさんは、私が作成した计画书にガムをくるんで舍てると、今度は、煎饼の袋を破き、バリバリと音をたてながら食べ始めた。
「オルティッシオさん、私の邪魔をしたいからって、いい加减な事は言わないで下さい」
オルティッシオさんが慌てて诘め寄ってくる。
惊愕する二人。わなわなと手足が震えている。
もちろん、邪神军の部屋にではない。私が修正を入れた计画书目挂けて吐き出したのだ。
「オルティッシオさん、あなたの自论はわかりました。でも、ガムを咀嚼するのは禁止します。これは财务大臣としての命令ですよ」
これは、煎饼を禁止しても饮食自体を禁止しても一绪だろう。何か理由をつけて话をさせない気だ。完全に私の邪魔をする気だね。
「オルティッシオさん、エディム、あなた达の気持ちはわかるわ。新人の私がこんな大役に抜擢されて不満に思うのは当然ね。でも、これもティレア様のためよ。若辈な身で迷惑をかけるかもしれないけど、协力して欲しい」
オルティッシオさんは、べっとガムを吐き出す。
「命令しますよ。今は仕事中です。ガムを噛むのは、休憩时间にしてください」
「「なっ!?」」
「なんだ? ガムではないぞ」
「オルティッシオさん、いい加减にして下さい。今は会议中です。ガムを噛むのはやめてもらえますか?」
次にエディムが駆け寄り、私の腕を引っ张ってくる。
「……喧哗売ってます?」
财务大臣として、あなたの邪神军への资金调达の流れ、少し追ってみました。
大の大人が耻ずかしくないのだろうか?
恐怖政治はしたくないけど、こうも非协力的ならね。
「出鳕目ではないわ! いいか、よく闻け! ティレア様が以前、お住まいになったところではな、めじゃーりーがーとかいう棍棒を振り回す者がいるそうだ。そやつらは、仕事中にガムを噛んで士気を上げていると窥った」
オルティッシオさんは、ニタニタと笑みを浮かべている。エディムも口角を上げ、いやらしい笑みを浮かべている。
「い、いや、でも、どういった理屈で?」
「えぇ、えぇ、オルティッシオ様。この女は、昔からそうでした。上に取り入る事にかけては天才的な力を発挥してました。まさに虎の威を狩る狐とは、この女を指すのです」
従顺で大人しくさせるには……。
こうなるのはわかっているでしょ。言う事闻かないなら、言う事闻ける人を呼ぶしかないじゃない。
「くっく、贵様はやはり无知だ。ガムは纸にくるんで舍てるのだ。そこにちょうどよくゴミがあったもんでな」
「カミーラ様をお呼びします」
话にならない。
仕事中にガムなんて噛んでたら、ティレアさんはともかく、ティムちゃんに见つかったら大惨事になりそうだけど……。
いや、何を惊いているの?
「そうよ、そうよ。ミレス、言挂かりもいい加减にしなさい」
「ま、待ちなさい。あ、あんたはどこまで卑劣なのよ」
「ちっ。権力をかさにきおって」
理论はわかったけど……。
「ふん、贵様はわかっておらんな。仕事中こそガムを噛むべきだ」
これは腕ずくしても、协力的にはならない。二人とも意固地になっているから、普通の手段では无理だ。
「にわかには信じられませんね」
「不本意ですが、これ以上非协力的なら大臣の権限を行使するしかありません」
「そうですか。では、军法会议にかけます」
エディムはエディムでお茶を淹れて、オルティッシオさんのお茶会を后押ししている。
いや、やめよう。私の権限で実行できるけど、手続きが面倒だ。
「贵様、ティレア様のお言叶を疑う気か!」
「あ、あのオルティッシオさん」
もうどうしようかな?
えっ!? 何言ってんの、こいつ?
「谁がお前の命令など闻くか!」
……消极的ボイコットってところかな。
オルティッシオさんは堂々と自论を述べ、ふてぶてしい态度を改めない。
それは、ティレアさんに闻いた事なかった言叶だ。话から察するに、东方の棍棒を装备した卫士なのかな?
「ミレス、腕ずくなんて愚かな考えね。私达は、暴力には屈しないわよ」
头、绝対おかしいでしょ!
オルティッシオさんは风船ガムを膨らませながら、不満も膨らませている。
结论……。
ならば、この手しかないか。
「お、おい、正気か!」
こ、この人はもう……。
まどろっこしいから、腕ずくしちゃおうか?
マジで军法会议を开催しちゃう?
「え、えっと……」
まぁ、この二人の気持ちもわかるよ。新参者にあれこれ指図されるのは、いい気がしないだろう。特に、私の元々の身分は、ティムちゃんの人形だし。
エディムの戦斗力を一とするならオルティッシオさんは四、その部下达が二ないし三ってところだ。私は十、やりようによっては百にも二百にもなる。
矛盾点はいくらでも思いつく。ただ、反证しても闻く耳持たないだろう。
あのエリザベス邸への押し込み强盗が可爱く思えてくる。法も伦理もガン无视のやりたい放题。今まで重税を课して财货を溜め込んでいる悪徳领主ばかりを狙ってたみたいだから、见逃してあげてた。だけど、本来なら军法会议にかけて処刑するレベルの悪行である。
うん、ここにいる全员相手しても十分に対処可能だ。
目を细め、部屋にいるオルティッシオさん以下、东方近卫队队员达の戦斗力を値踏みする。
はい、私は正気ですよ。どちらかというとあなたの今までの言动こそ、正気を疑います。
そう言って、オルティッシオさんは、ガムを咀嚼し続ける。
「まったく、无知にもほどがある。いいか。ガムを噛むことで脳に刺激を与え、あるふぁ波がガバガバ溢れ、英気に溢れた行动が取れるのだ」
「たかが人形如きが私に命令する気か!」
「わかったか! だから、こうやって绝えずガムを噛んでおるのだ。もぐもぐ、愚か者め!」
「なっ!? 军法会议だと!」
下手に出ても、増长するだけね。ならば、上役としての态度で临む。
エディムはそんなオルティッシオさんに同调し、私の悪口を言い立てている。ついでに追加のガムも渡している。
「非协力的な人には、罚を与えますよ」
「エディムよ、闻いたか? この女は、ティレア様の名を使い、我らを支配下に治めたいようだ」
オルティッシオさんが吠える。エディムが噛み付く。
いくつか方法は思い浮かぶ。だけど、どれも普通でない非常手段だ。一応、亲友であるエディムにそんな手は使いたくない。
ティレアさんが考案したとされるガム。东方のお果子みたいだね。こちらの文化にない嗜好品として、王都の一定层に好评らしい。私も食べた事あるけど、なかなか楽しい触感だった。でも、见た目くちゃくちゃと噛む姿が美しくないので、公の场や仕事中は控えるのがマナーとされている。
……しょうがない。とりあえずは下手に出て、协力を求めてみるか。
卑劣って、どの口がそれを言うかな。
三千二百三十回、これが何を表すかわかる?
あなたが私を噛もうとした数よ。隙あらば、袭おうとするのはやめて。
これでも优しい手よ。もっと酷い方法も考えたんだから。
「とにかく、二人ともこれ以上邪魔をするのならカミーラ様をお呼びします」
「「ぐっ!!」」
唇を噛んで耐える二人。もう一押しかな。
「わかってくれたようですね。私はティレア様だけでなく、カミーラ様にも财务大臣として裁可する権限を顶いてます。お二方のお墨付きを顶いている意味、わかりますよね? 私への妨害は、すなわちお二人に逆らうに等しい行为ですよ」
「そ、それは、その」
「べ、别に邪魔をしているわけじゃあるまい」
二人がしどろもどろに弁解を始めた。
「言い訳はけっこうです。次に邪魔したら、本当にカミーラ様をお呼び――」
「呼んだか?」
「うぁあ!」
突然、背后を取られた。现れた覇王の 気配 0; オーラー 1; につい声を発してしまう。
「ん!? 何を惊いておる。贵様らしくもない」
そう宣言するのは东方王国の大覇王、ティムちゃんだ。
相変わらず凄い。
自慢ではないが、今の私から背后を取れるのはティムちゃんぐらいだ。仮にSランク冒険者百人に囲まれたとしても、鼻歌混じりに対処できる自信があるのに。
さすが私と同じ 高位人间 0; ハイヒューマン 1; である。
オルティッシオさん、苦し纷れになんて言い訳してるんだろう。
ティムちゃん、私を杀す気?
「何が误解だ! オルティッシオ、首から上も、首から下も、両方消し飞ばすことにしよう」
……见つけた。
ティムちゃんもこりないな。
「ほぉ~~~~、これも外すか!」
「私の体内に取り付けた発信机ですよ!」
オルティッシオさんはビシッと直立不动の姿势だ。先ほど足を投げ出して伟そうな态度だったのが嘘のようだ。エディムも生意気な口はなりを潜め、オルティッシオさんと同様に直立不动の姿势を崩さない。
「では、ミレスが谋叛人というのは嘘か? 贵様は我に虚伪の申告をした」
私の说明を闻いたティムちゃんは、忌々しげにオルティッシオさん达を睨む。
「お、お待ちください。误解でございます! 我々は国务を蔑ろにしたわけではございません。そ、そうだ。ミレスは谋叛の疑いがあって、それで、谋叛人であるミレスを问い诘めていたのです」
调査魔法ググルの解析结果をもとに発信机の解除を试みる。
解除には成功した。
ティムちゃんの理不尽な物言いに、二人は生まれたての小鹿のように震えている。いや、この震え方、小鹿のほうがまだマシかも。
「い、いえ、め、め、めっそうもございません」
「なにがだ?」
それ、どっちも死んじゃうじゃない。
「ほぉ~ミレスがお姉様に……それは闻き舍てならんな。エディム、话を続けろ」
「ひ、ひぃえええええ!」
もう芸术と言ってもいいよ。
「は、はい。それはミレスが持ってきた都市计画书をご覧になったら、ご理解できるかと」
それから、オルティッシオさんがティムちゃんに折槛されていると、エディムが声を挙げてきた。オルティッシオさんの次は、自分の番だからね。何か言い訳を考えついたのだろう。
ティムちゃんが目を见开いて惊いている。
でも、心身の疲労が半端ない。何回か死に挂けた。ティムちゃん天才过ぎる。これほどデンジャーなもの、歴史に名を残すぐらい凄腕の魔法士が何百人ががりで、一生涯取り组んでも外せるかどうか、それほどの代物だ。
「ご、ご、误解でございます。そ、そういう意味では――」
「いや、本当勘弁して下さい」
「はぁ、はぁ、はぁ。し、死ぬかと思った」
「どうするって……取ってくださいよ」
「そうか、そうか。虚伪ではないか。あはは、つまり贵様は、我やお姉様の目が节穴のほうを选んだわけだ」
それからテンションの高いティムちゃんを宥めながら、本来の目的を话す。せっかくティムちゃんが来てくれたのだ。二人の教育を任せよう。
手强い。解除するのに何十ものプロテクトを突破しなければならない。こんなの、一朝一夕でやれるものじゃないよ。それに解除を误ると、命の危険を伴うブービートラップが埋め込まれていた。
ティムちゃんは、ニヤニヤと笑みを浮かべているだけ。取ってと恳愿しても无駄だろう。それどころか嬉々として追加の発信机をつけてくるのが关の山だ。自分でやるしかない。
「エディム、なんだ? 贵様もこいつと同じ穴の狢だろ。安心するがよい。すぐに后を追わせてやる」
「ち、违います。全然违います。オルティッシオはそのまま死んでも构いません。いや、死ぬべきです。ですが、お闻きください。ミレスは、谋叛人ではありませんが、ティレア様に対し不逊な行动を取っております」
「まったく、贵様らは……」
「カミーラ様、さすがに今回は洒落になってません」
「ミレス、あっぱれだ。感心、感心。あれはな、前回の失败を粮により强固により危険にと、我が腕によりをかけて生成した。作った我ですら解除に骨が折れる自信作だぞ。くっくっくっ、贵様はどこまで成长するのだ」
二人はガクガク震えている。
今回の発信机は、以前よりも高性能だ。以前より见つけにくい构造になっている。それに、オルティッシオさんとの会话内容も知っていたぐらいだ。魔力感知だけでなく、集音机能もついているのだろう。
……本気だ。
「ミレスが谋叛人か」
古今东西、例を见ない魔术形式を惜しげもなく使っている。相変わらずティムちゃんオリジナルの魔术纹はえげつない。世界最高峰、いや史上最高の魔法技术を见せつけられた気分である。
こ、これは……。
自业自得とはいえ、もうなんて言ったらよいか……。
ティムちゃんは、ニタニタと意地悪そうな笑みを浮かべている。エディムとはまた一味违った上から目线の嘲笑だ。
「あのカミーラ様? どうしてここに?」
嫌な予感がした。
「はっ。邪神军の忠実なるしもべとして、このオルティッシオ、そのような谋反人の命令に従うわけにはまいりません」
本気で解除する。
「カ、カミーラ様、前にも言いましたよね? 胜手に発信机をつけないで下さい。プライバシーの侵害です」
「お前达に选択肢を与える。首から上が无くなるのと首から下が无くなるのだ」
効果觌面ね。
「い、いえ、决して虚伪ではございません」
呼んだって……确かに呼ぼうとしてたけど、まだ呼んでないから。
「何が违う! つまり贵様は、我やお姉様の目を节穴と言っているのだろうが!」
ティムちゃんを见る。
「ふむ。では我やお姉様は、谋叛人を国政の长につけた愚か者というわけだな」
ティムちゃんが获物を见つけた狩人の如く、ゆっくりと二人に近づいていく。
「どうした? 选べんのか? では我が选ぶとしよう」
オルティッシオさんは悲鸣をあげると、尻饼をついて后ずさりをしている。
「くっ!?」
「くっく、ばれたか。それでどうするのだ?」
一体、いつのまに?
「なぜ取らねばならん」
しばらくして……。
魔力を感知する発信机。
「なんだ、ミレス。お前が我を呼んだのだろう?」
そんな灭茶苦茶な言い訳が通るわけないでしょ。本当に马鹿なんだから。ほら、味方のはずのエディムでさえ「またか」みたいな颜をしているよ。
すぐ様、自身を魔力探査する。调査魔法ググルを発动、体中に魔力の波动を行き渡らせた。头の天辺から爪先まで、微细な変化も见逃さない。
オルティッシオさんは、ドヤと夸らしげに言う。
「えっ!? いや、违います」
ふぅ~これは解除も大変だろうな。
「いや、まだ呼んでませんよって――はっ!?」
エディムが胜ち夸った颜で都市计画书をティムちゃんに渡す。
なるほど。エディム、上手い急所を见つけたわね。オルティッシオさんの児戯な言い訳とは违う。
少しまずいなぁ。
都市计画书、けっこう市民ファーストで书いてある。ティレアさん至上主义のティムちゃんにとって、到底许せない案かもしれない。
本当は、市民ファーストがティレアさんのためになっているんだけどね。それを绝対君主制で育ってきたティムちゃんにわからせるには、时间がかかると思う。
案の定、ティムちゃんは计画书を読み、エディムにヒソヒソと耳打ちされて明らかに不机嫌になってきている。
「ミレス、とくと答えよ」
「はい、なんでしょう?」
「色々、闻きたいことはやまほどある。例えば、建设一覧のページだ。贫民への救済所や灾害が起きた时の防犯所、お姉様の覇业に不要な建物ばかり。民に肩入れしすぎだぞ。今回の计画の趣旨、邪神ファーストを忘れたか!」
「カミーラ様、これは富国强兵の一环ですよ。まずは、ティレア様を支える下の者达の土台を作らないと。回り道のようですが、これがティレア様の覇业をお支えする一番の方法だと私は考えます」
「ふむ、お前なりに考えがあるというわけだな」
「はい」
「では次だ。敷地区画のページだ。なぜ大邪神博物馆を廃弃する。世の宝は全てお姉様のものだ。それを各国から取り上げてはならないとはどういう意味だ!」
ティムちゃんの声は荒い。
これは返答を误ると、私もやばいことになる。
……どうしようか。
暂く思考する。
ティムちゃんにも、ドリュアスさんにも邪神军の全员を纳得させるには……。
そうだね、こう言うしかないか。
「カミーラ様、误解です。世の宝は、全てティレア様のものです。それは私も同意ですよ」
「エリザベス、ここにいるの? とっくに杀されているとばかり」
そうだね。ティレアさんをどこまでも慕う、この苛烈な组织が敌の首魁を简単に许すわけがない。その炼狱室ってのも、凄まじくあれなところなのだろう。
さんざん悪事を重ねてきたのだ。今更同情する気はない。
私の目的は别にあるんだから。
エ、エディム、なわけないでしょ。そんな恐怖の目で私を见ないで。私は折槛する気はさらさらないからね。
ドナドナの如く、恐怖に震えたエディムと、気绝しているオルティッシオさんがティムちゃんに连れていかれる。
エリザベス……。
エディムが涙目でこちらを见てきた。哀愿の态度だね。
ただね、一つだけ悬念がある……。
「はい、その通りです」
「第一邪神炼狱室はエリザベスが使用中だったな。贵様达は、第二邪神炼狱室に连れて行くとしよう」
「ふ、ふぁい」
「カミーラ様、その辺で――」
头は下げていないけど、
「カミーラ様、骗されてはいけません。これがミレスの手なんですよ。私が、こいつの化けの皮を剥いで见せます」
周囲の空気が一瞬で杀意の波动に変わる。まるで火山の中だ。溶岩がぐらぐらと沸き立つぐらいに。
「エディム、贵様の下らぬ谗言で我はとんだ耻をかいた」
この杀気を向けられたら、どんな强者も缩み上がり気绝、下手したら死ぬ。
「くっく、ミレス、贵様もこやつらを折槛する気か? そうだな。贵様も下らぬ谗言をされて头にきておろう。いいぞ、道具はいくらでもある。好きに使え」
ティムちゃんがエディムの口を右手で鹫掴みし、无理やり闭じさせる。
「くっくっくっ、それはそうだ。世界は全てお姉様のお庭だ。ミレス、各宝物はそれぞれお姉様の 大陆 0; へや 1; に置いてあるということだな」
炼狱室ってのも気になるけど……。
オルティッシオさん、哀れすぎる。
私の言に、ティムちゃんは、キョトンと目を丸くする。
またもやティムちゃんの手で口を闭ざされるエディム。エディムの唇がムニュっと形が変わる。
「カミーラ様が耻なんてあろうはずがありません。ミレスのせいですね。ミレスのくせに、やはり処刑を进言します」
「简単に杀すわけなかろう。奴はお姉様に反逆したS级戦犯だ。みっちりと生まれてきた事を后悔させておる」
エディムとオルティッシオさんには、反省してもらおう。
「黙れと言ったはずだぞ」
ただね、私がティレアさんのためにならないことをするわけないじゃない。
よかった。纳得してくれた。我ながら上手い言い訳を考えついたよ。
「ふゃい」
「本当か? いかに我のお気に入りのお前でも、お姉様の事で我を谋ろうとするなら容赦せぬぞ!」
「ひ、ひぃい、ミ、ミレス」
今回は、助けてあげないよ~だ。
エディムが恐怖で引きつった叫び声を上げる。
だから私が优しく谕してあげたでしょ。少し怒っているんだからね。
ティムちゃんが凄まじい杀気を放つ。
「そ、そんな……」
大丈夫、なんだかんだでティムちゃんは优しいから。手加减はしてくれると思うよ、多分……。
各国の国宝を强夺なんて、戦争の引き金ばんばん引いちゃうじゃない。绝対に反対なんだから。
ティムちゃんが谢った!?
ティムちゃんが何気なく呟いた独り言に反応してしまう。
「き、诡弁よ、诡弁! カミーラ様、骗されてはいけません。ミレスはティレア様よりも下等な民を优先しております。これが不逊でなくして何が――」
「ミレス、お前の考えはわかった。ここに书いてある反吐が出そうなほど甘ったるい民寄りの政策の数々。回りまわれば、お姉様の益となる、そうだな?」
「ねぇ、カミーラ様、私もその炼狱室についていっても构わないかな?」
ティムちゃんの背中に隠れて言いたい放题だ。いったいどっちが虎の威を借る狐なんだか。
「では、なぜ大邪神博物馆の建造に反対する! なぜ収集した宝を元の场所に戻さなければならない!」
「なに?」
……しかたがない。
言叶だけだけど、
「ちっ。甘やかしていたツケのようだ。ミレス、実験はしばらく延期だ。しばしこやつらを折槛してくる」
もう十分に折槛したと思うんだけど、足りないのだろうか。
オルティッシオさん、既に白目を剥いて口から泡を吹いているんだけど……。
エリザベスは现在、行方不明中となっている。てっきり东方王国の精锐部队が始末していたと思ってた。
ティムちゃんの诘问に合わせて、エディムも非难を露にする。
二人の襟首を掴んで移动中のティムちゃんが振り返る。
「くっくっ、心地よい威圧だ。信じよう。ミレス贵様は纷れもなく、お姉様の忠臣だ。そして、下らぬ疑いを持った、许せ」
「カミーラ様、待って」
ティムちゃんを追いかけて止めてあげるか。
エディムはエディムで、涙目でまだこちらを见てくる。こっちも哀れかな。
その悬念があるから、このままエリザベスを放置しているというのもね。
少し头にきた。ティムちゃんから向けられた 杀気 0; うたがい 1; を无言の 圧力 0; こうぎ 1; で返す。
高位人间 0; ハイヒューマン 1; である私でさえ、少し身构えてしまう。
「はい」
これは侮辱よ!
それでもその光景に目を见张ってしまう。
それから静かに笑い始めた。
「そうよ。ミレス、あんたの意见は、矛盾している。カミーラ様を舐めてるわ!」
えっ!? 今、何て?
「いいですか。宝は、各国に置いてあるだけです。逆に闻きます。なぜ宝を一个所に押しとどめておく必要があるのですか? それは各国をティレア様の领土ではないと认める行为になりますよ」
そのよく知った名前にだ。
「なんだ、ミレス?」
「エディム、黙れ!」
「说明します。大邪神博物馆の建设廃止の理由、それはこの世の全ての财がティレア様のものだからです」